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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

「あ―」
 ひと月前、露天商が餞別だと言ってくれた
香水、リーラの花の香りだという香水を今朝、ほんの少し髪につけてみたのだ。よもや修明がそれに気づくとは想像もしていなかったのだ。
 翠華の中で恋心が切なく疼いた。
「何故、そのように哀しい眼をしておいでなのですか」

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