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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

「修明様」
 翠華は思わず頬を染めた。今、翠華は修明の逞しい腕の中に後ろからすっぽりと抱き込まれた形になっている。
 翠華は狼狽えて、修明の腕から逃れるように離れた。
「お帰りなさいませ。今日は、いつもよりお早かったのですね」
 朝早く仕事に出かける修明が昼食を取るためにいったん帰宅するのは、いつも昼過ぎだ。翠華は内心の動揺を懸命に押し隠し、無理に微笑んだ。

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