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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

 小さな庭には、この国では割とよく見かけるリーラの樹が植わっている。その傍らに、つま先だって幾つめかの洗濯物を干そうとしたその時、翠華がバランスを崩した。弾みで身体が前につんのめり、転びそうになる。
「危ないッ」
 危ういところを背後から抱き止められたお陰で、事なきを得た。

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