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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

 その翌日の昼前のことだ。
 翠華は庭で洗濯物を干していた。修明の家には、ささやかな庭がある。ここ揚の都は、広大な砂漠の中にある一大オアシス都市だ。揚はこの都の他にも、幾つか比較的大きなオアシスを中心とする町を持つ。無人の小さなオアシスも含めれば、まだまだたくさんのオアシスが点在するのだが、その周辺に人が住み、町や村を形成しているのは数が限られていた。

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