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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

 男の言葉にわずかな躊躇いを見せた娘に、一部始終を見ていた露天商が側から言った。
「お前さん、危ないところだったな。錦花楼の亭といえば、この界隈では鬼のように血も涙もない奴だと皆に嫌われてる奴だよ。あそこで働かされている遊女は大半が三年と身が持たない。亭の奴が顎でこき使って、次から次へと客を取らせるから、直に身体を壊しちまう。悪いことは言わない、今はその旦那についていった方が身のためだ」

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