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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第4章 心のゆくえ

 あなたの傍にいたい。
 そのひと言がずっと言えなかった。本当は、もっと前から自分の想いに気付いていたのだ。でも、自分の立場や相手の名誉のことを考えると、どうしても一歩が踏み出せなかった。
 明香はこれまで二人の未来を想像したことはなかった。いや、できなかった。どれほど考えてみても、二人が結ばれることはあり得ないのだ、これは叶わぬ恋なのだとしか思えなかったのだ。

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