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　救いを求めるように柳尚宮の方を見ても、柳尚宮は感情の窺えぬ瞳であらぬ方を凝視しているだけだ。幾ら明香が眼で訴えても、彼女の方を見ようともしない。
「大妃さま、畏れながら申し上げます。私は主上のお情けを賜ってなどおりません。それは、きっと何かの間違いにございます。もう一度よくお調べに―」
　懸命に訴える明香に、大妃が柳眉をつり上げた。