
イケない同棲生活
第6章 犯人追跡?
キスを、していた。
視界いっぱいにヤツが目を伏せ、長い睫毛で影をつくる姿が広がる。
「…んッ」
そして、にゅるっと熱い舌が唇の隙間から割り込んできて歯列をなぞり、舌を絡まれ、痺れるような感覚が私を襲う。
「ん…ッふぅ・・・ッ」
…熱い。熱くて、甘くて。
とろけそうだ。
頭がぼんやりとして、ひどくキモチいい。
「ま、って、」
とん、と軽く胸板を押すも、ヤツは止めるどころか更に濃密なキスを落としてくる。
視界の端に映るのは、困惑した様子でこちらを見るアイツ。
あんなに見られてるのよ?
なのに。
ねぇ、なんで。
「まひろ…ッ」
ちゅぱッ…
リップ音を響かせて少し離れた隙に、顔を背けてやつの名前を呼んだ。
「、」
それを聞いた真弘が動きを止めたのを見ると、たちまち力が抜けて彼の胸に頭を預けた。
一瞬で、奪われてしまった。
宮島楓が首を小さく傾け、近付いてきたと思ったら、後ろからもの凄い力で腕を引かれ。
「え」と零した私の唇を、いとも簡単に塞いだのは、紛れもなく。
今目の前にいる、真弘。
