
イケない同棲生活
第6章 犯人追跡?
「先輩、こっちこっち」
昼休みにて。
悩み上げた末、「別に大丈夫だろ」ということで誰にも告げずに屋上に来た私。
扉を開けると、既に来ていた宮島楓がベンチに座って私に手招きした。
…なに。なんなの今日の宮島楓。
なんか可愛いんですけど。
「来てくれたんすね」
「そりゃ、約束だし…。相談あるって言うし」
恐る恐る、微笑を浮かべる宮島楓の隣に座れば、距離は僅か数センチとなった。
横を向けば、無駄にイケメンな宮島楓の顔がすぐ傍にあって。
柄にもなく、少し緊張した。
「まあ、はい。相談というより。俺、先輩に言いたいことがあって」
「ん?」
それを紛らわすために、女子力なんてものは捨てて食べながら耳を傾ける。
「………」
結構深刻なようで、チラ、と視線をそちらに向けると。
「、」
透き通るような茶色いビー玉のような瞳が、私を射抜くようにこちらを見ていた。
「先輩」
「なに…?」
カタンッ
風の囁きしかなかった屋上。
ただ、唇の熱を感じ。
目を見開いた時。
私の手から滑り落ちたペットボトルが、ころころと虚しく転がっていった。
