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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

開店と同時に、雑誌を見た客が殺到した。


否応なしに高橋さんの威力を突き付けられ、今朝の事が何度もフラッシュバックしてくる。


「そのシャツに合わせるなら…」


「宮脇さん!こっちも頼みます!」


「はい!」


忙しさで気を紛らわそうとした。


何とか午前をこなして、お昼に入る頃遅番の柴多が店に入って来た。


「おはようございます。」


「おはよう~!」


柴多は私を気不味そうに見て、周りに聞こえなうよう話しかける


「寝込んでてごめんな…鍵。」


「あっ…うん…。」


柴多には支障なかったけど、何か罪悪感が沸く。


「朝食もサンキュー…旨かった。」


「冷めてたでしょ…。チンした?」


「あぁ…温めた。」


優しく微笑む柴多に、ホッとした。

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