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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

「ジャケットとか、適当に掛けといて!」


一応、言っておくと


「は~い!」
「分かった。」


二人は各々のペースで、寛いでいる。


「はい、お手拭き。」


お絞りサイズのタオルを二人に渡し、それを受け取りながら高橋さんは


「有難う~。宮脇ちゃん、隣の部屋だけ空室なの?」


そんな事気になるのか?
と、思いつつ


「うん、2ヶ月前くらいに前の人が引っ越してから、まだ決まらないみたい。」


高橋さんは、隣の部屋の壁側をチラリと見てから


「ふ~ん…さて!再度乾杯!宮脇ちゃんのお部屋初侵入記念!」


「ちょっと!」


顔が一気に、熱くなる。


「高橋さん!」


柴多も更に、不機嫌そうに言うと


「柴多さん、ラッキーでしょ?」


意味深に笑う、高橋さんに、


「そんな…。」


言葉を呑み込んでしまう。


それからは、高橋さんのペースで色んな話題に引き込まれ…気が付けば、朝になっていたのだ。

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