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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

「柴多…揚げ出し豆腐も頼む?」


思わずお伺いの様に聞いてしまった。


「あぁ、食べるよ。」


答えた途端


「おっちゃん!揚げ出し豆腐いっちょう~!」


高橋さんが、注文してしまった。


「ちょ!高橋さん。」


「……どうも。」


明らかに柴多のテンションが、下がっていくのが分かるのに高橋さんは


「柴多さん、何か聞きたい事あるんじゃないですか?」


意味深に、柴多に投げつける。


「えぇ…じゃあ聞きますが、何で素人の詞がモデルみたいな事しなきゃいけないんですか?」


へっ!
柴多まだ納得してないんだ!


「柴多…あのさ…。」


顔を見ると、表情が固いのに反して高橋さんは


「でも、いい宣伝になったし、宮脇ちゃんのスタイルもブランドの顔に出来るチャンスじゃない!」


何か妙な自信に満ちていた。

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