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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

恐る恐る売り場に出ると、明らかに客が多かった。


「いらっしゃいませぇ~。」


いつもだったら元気よく言うが、思わずボソボソとなってしまう。


「あっ!雑誌の人じゃない!?」


それまで柴多や他の店員が相手してたお客が、一気に押し寄せて来た。


「雑誌見ました~!」


「高橋さんが着てるシャツどれですか!」


「女性でも着れるのありますか!」


状況を把握するだけでも、精一杯なのに次々と対応に追われる。


「詞!他に手伝うのは!」


「宮脇さん、あの方言われた通りにしましたよ!」


「有難う!次なんだけど~!」


柴多や他のスタッフがフォローしてくれ、1日を何とか切り抜けた。


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