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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

撮影から、三週間くらい経つ。


高橋さんから、メールや電話は特に来てない。


最近、店頭にも現れてないみたいだ。


連絡先交換して、デートしよう言って何だろうかこの放置具合わっ!


別に、いいんだけどさぁ~!


撮影の真相くらい、知りたいじゃん!


「おはようございま~す。」


遅番だが基本的仕事に入る時には、『おはようございます』と言う。


普段は、同じ返事が返ってくる筈が


「宮先輩!見ましたよ今月のMen's
Moda!」


レディース売り場で一緒だった、野上ちゃんが興奮気味で言って来た。


「あっ!こないだ撮影見学をした奴だけど…見たって、何を?」 


「え~!知らないんですか!メンズフロアだけじゃなく、このビル全体話題ですよ!」


嫌な予感がしてきた…。


「な…だから何?」


「高橋樹とのツーショットです!しかも雑誌、表紙になってますよ!」


「はぁ~!?」


何だってぇ~!!!

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