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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

そんなやり取りをしている内に、駅に着く。


「じゃあ宮脇ちゃん、次の為にまたアイディア考えておきなね~!」


「えっ!次って?」


焦って聞き返したが、高橋さんは今朝と同じく、手をヒラヒラさせて


「お休み~!」


一言残して、ちょうど来た電車に乗り込んで行ってしまった。


ポツーン…と、一人取り残された私…。


高橋樹…やっぱり理解不能だ…。


次って、ちょっとの気紛れが、何回も出来る訳ないだろうに!


そんな諦めが先に立ったが…保科さんの言葉が過る。


『僕は、高橋に頭を下げられただけなんで…。』


頭を下げるって…相当な事だと思うんだけど…。


電車が髪を靡かせる中に、漠然と思った。




そして…数週間後に『相当な事』が起きてくるのだった…。

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