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そして僕等は絡み合う

第5章 南野 昴の場合

そして…
どれ位飲んだだろうか?


仕事から帰っても一人で晩酌して飯を食う毎日でしかなかったから、今日の男子会が楽しくて仕方なかった。


お酒には強い俺も、気分が良かったせいもあってかなり飲んでしまって、ほろ酔い状態だ。


人見さんはとっくに床に転がってしまった。


「ほんろ~れふよ~!たかはひはん!」


「オッケー!オッケー!任せてにょん!」


相変わらず不思議な語尾で話す高橋さんに、俺は回っていない思考と呂律で言い寄ってたいた気がする。


「恋の仕事人、この高橋みっき~に南んの恋も叶えてみせるにょん!」


「あざっす!頼れるのは恋の仕事人ミッキーれす!!」


アルコールでの高揚感と、一方的な片想いに強い味方が現れた嬉しさで、俺のヒューズは吹っ飛んでいた。


思いっきり高橋さんに抱き付き


「たかはひはぁ~ん…一生つひていく…っふぅ…」


睡魔に襲われながら、俺は男の誓いを高橋さんに告げと


「マジ…じゃぁ…俺の計画も…宜しくね~」


「はひぃぃ…ぃ…ぐぅぅぅぅ~」


耳元で囁かれ高橋さんの声が、マンションの住民の人生を大きく変えて行くなんて…


この時はちっとも分かっていなかったんだ。

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