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そして僕等は絡み合う

第5章 南野 昴の場合

「絶対ないです!」


普段物静かな人見さんが、大声出して全否定してきた。


「あはははぁ〜!面白いけど、俺もそんな趣味ないにょ〜ん!」


高橋さんもフォローしてくれたが


「高橋さん!」


「はぁ〜い…」


人見さんはまだ何か気に入らない様子で睨むと、高橋さんは唇を突き出して肩を竦めた。


何か良く分からないが、あの『にょん』のせいか?


「そうですか…人見さんは本命はまだいないっすか…皆で盛り上がるかと思ったんすけど…」


ぶっちゃけトークになってきたせいか、俺の口調が緩んでくる。


「ご期待に応えられなくて、すみません…」


少し落ち込んだ俺に、人見さんは丁寧に謝ってきた。


なんて礼儀正しい人なんだ!
若いのに、素晴らしいな〜!
きっと親御さんの教育が行き届いていたんだろう〜!


「人見さん!気にしないで下さい!俺、人見さんの分も頑張るっすから!」


感動で打ち震えながら、人見さんの手を握る。


「え…えっと…」


「あぁ〜ちゃうちゃうよちゃうよ〜!」


高橋さんが、チーカマを左右にプルンプルンと振っていた。

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