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そして僕等は絡み合う

第3章 西垣 静湖の場合

「95点…以上…。」


人見さんは、気にもしない様子で本をまた見ているのに、曲が流れだし…


「始まりますよ。」


「分かってるわよ!」


見てなさいよ……あんたを越えてみせるわ!


そしたら『ギャフン!』て、言わせてやるわよ~!


「ぴょんぴょん~♪」


調子よく歌い始める。


あら、喉の調子もいい感じ~思わずビブラートとか、かけちゃったりして!


約3分ちょい、私はステージ気分で歌いきった!


「マヨピョ~~ン!!」


スチャ!
最後は、キメポーズ!


「中々、上手いですね。」


パチパチ…拍手している。


「まぁね~!」


まあまあって、何よ!
本物だってぇ~のっ!
よっしゃ~点数カモ~ン!!


絶対勝つに決まってる…ほらっ………はい?


「87点…自分の勝ちですね。」


「う…そ…。」


ウソだ…だって私が、マヨピョンなんだよ!!
機械が、調子悪かったんじゃないの!?


「人見さん!もう一回!」


「さっ…肉食べに行きましょうか…。」


人見さんは、そう一言残して、部屋を出てってしまった。


「ちょっと~!!」

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