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そして僕等は絡み合う

第3章 西垣 静湖の場合

目的地の駅に着いたら11時半になった。


元々の待ち合わせの時間。


駅から少し離れた所に、ネットの口コミでも評判のイタリアンレストランがある。


予算はランチで、二千円前後。


普段なら絶対に入らないわね!


レストランの前に来てビビっても知らな~い!って思ってたのに…


「着きました。ここですよね。」


「うん!そうよ!」


「入りましょう。」


一言言って、スタスタ入る。


なぬっ!臆せぬ!


更に…


「人見様、ご予約承っております。」


「なっ!予約!」


「えぇ…念のため。待たされたくないですから。」


卒が無いな…実は、どこぞのボンボンなのかな?


案内係と人見さんの後を着いて行くと、レストランの庭が見える絶好な場所を用意されていた。


思わず目を輝かせて…呟く。


「素敵…。」


「そうですか…。」


人見さんの表情は、穏やかに微笑んでいた。

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