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そして僕等は絡み合う

第3章 西垣 静湖の場合

保科さんとの会話を終わらせ、いそいそと椅子に座る。


いつの間にやら人見さんは、宮脇さんにコーディネートされていた。


緊張感で、いっぱいの人見さん。


真剣な目の宮脇さん。


不敵に微笑む高橋さん…。


何か…世界が出来上がってある…。


特に宮脇さんは、お世辞抜きにカッコ良かった。


その姿を温かく見守る…高橋さん。


チクン…。
胸の奥の小さい痛み。


例え、マヨピョンとしてここの事務所に入れたとしても、あの二人の間には入れるの?


高橋さんの気持ち…こっちに向けさせる事出来るの?


西垣静湖を…見てくれるの?


ムリダヨ…。


弱気な私が、囁いた。


私は何だか、この場に居るのが辛くなった。


だいたい元は、人見さんのイメチェンなのに!


何で私も来ないといけないのよ!
いい迷惑よ!


すっかり高橋さんが誘ってくれた事は、念頭から飛んでいた。


「ちょっと…。」


席を立つ私に、保科さんが


「…大丈夫ですか?」


何がよ… 


「はい…お手洗いに行って来ます。」


この場から逃げる様に、部屋を出て行った。

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