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そして僕等は絡み合う

第3章 西垣 静湖の場合

微妙な空気が、流れる…。


どうしよう…このまま居ても仕方ないし…。


「じゃ…じゃあね…。」
「待って!」


ガシッ!


と、人見さんは私の腕を掴んだ。


「痛ぁっ!」


「あっ!すみません…。」


謝って唇を噛みながら、視線を伏せている姿が、いつもと様子が違って見える。


「何なの…。」


「そのピアスは…」


「こんちゃあ~!」


へ…誰だ…。


「きゃ!高橋さぁん!」


高橋さんが、突如現れた。


人見さんと居るとこ見られて、勘違いしないかしら!


「お邪魔だったかな~?」


「いえいえ!寧ろ大歓迎です~!」


人見さんから逃げるのに、助かった!


本当なら、高橋さんと二人で話したいところだが、今はそれどころじゃない。


「高橋さん!後でお裾分けしたいものがあるんですが!」


「お裾分け~?」


まさかマヨネーズって、言いにくいな…その時


「高橋さん!相談があります!」


人見さんが、高橋さんにズズイッと近寄っていた。 

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