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そして僕等は絡み合う

第3章 西垣 静湖の場合

高橋さんの手が、背中に回り…


「ニットほどけてるよ!背中の部分!」


「はい?」


「止めないと、穴空いちゃうよ~!」


ニットかよ!


「ありがとう…。」 


胸…撃沈…。


「可愛い服だから、大事に着てあげなね!」


ニカッと、笑われた。


ドッキン!


あれ…私今、本気でトキメイた?


「宮脇ちゃん…まだかなぁ~。」


ズッキン!


うっ…あれ、今度は胸が痛む…。


何か、調子狂わされるな~。


モヤモヤしかけた時に


「お待たせ…。」


宮脇さんは帰って来た。


何かウキウキと言うより、疲れてないかい?


仕事の電話だったのかな?


「柴多さん…ご機嫌だったぁ~?」


高橋さんは、そんな事を聞くと、宮脇さんは目を背けながら


「まあね…。」


何だろうか…この二人の微妙なやり取り…。

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