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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

駅が見えて来たので、手を離そうとすると、人目に付きにくい路地に引っ張られる。


「柴多!?」


な、何?


慌てて見上げると


「詞…。」


柴多の顔が近付いて…軽くキスをされる。


「あっ…。」


「詞…本当に、大事にするから。」


力強く抱き締められ、スッポリ胸の中に納められてしまう。


ズキズキズキズキ…。


胸がイタイ。


「うん…。」


それが、精一杯の返事。


「夕方…また電話するな。」


「分かった…。」


そしてまた…柴多は、触れるだけのキスをした。

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