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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

「じゃあ、帰るね…。」


柴多のアパートを出ようとすると


「詞!駅まで送るよ。」


柴多パーカーを羽織って、一緒に来ようとしたから


「大丈夫だよ!駅まで道解るし!」


そう言うと


「少しでも一緒に居たいからだよ!」


「あっ…。」


私って本当に、無神経なのかも…。


「行こう。」


アパートの階段を柴多に付いて降り、地面に足が着いた瞬間、手を握られる。


「わっ!」


「駅まで!」


無邪気に言われて、嫌だとは言えなくて


「う…うん…。」


駅まで、徒歩15分くらい…大した時間じゃないけど、やたら長く感じた。

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