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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

「あっ!ま、待って柴多!」 


「詞っ!」
「ちょっ…。」


受け入れなきゃ!
初めてじゃないし!


そう自分に言い聞かすが、柴多が優しく触れる度に涙が次々溢れ出る。


「ひっく…。」


「詞…大丈夫?」


柴多が私を大事にしてくれてるのは、痛い程伝わるから


「うん…大丈夫…だから。ふっ…。」


自分でも涙の理由は、解らない。


真っ直ぐ受け止められない事に苛立つ。


「詞…つかさ…。」


柴多に名前を呼ばれる度に、私は何故かアイツの顔が浮かんでしまうんだ。


『つかさ!』
『みき…。』


消したくて、頭を左右に降って叫ぶ


「やぁっ!」


「詞…?」


消えて!私は今、柴多の腕の中なんだから。


私は、柴多を選んだんだから!!

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