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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

柴多はジッと私を見る。


ニッコリ笑って


「そんな訳ないだろ!」


…って、言ってくれると思ったのに


「あぁ…行こうかなって、思ってる。」


確かに、その方が待遇は良いとは思う。


「そ、そうだよね。」


「詞…選んで。」


「へ…?」


射抜くかの様に見詰めてられて、心臓が跳ねそうになる。


「店辞めたら…二度と詞には会わない。」


ドックン!


「なっ、何で!何の関係があるの!」


「…気持ちの整理するには、良い機会かなって思ってる。俺が居なくても…大丈夫そうだし。」


「どうゆう意味…。」  


「言わせる?」


ドキン…。


「や…嫌だよ…柴多と、会えなくなるの、私は嫌だ!」


「じゃあ、付き合う?そしたら、そんな事しない。」


「はぁ!?」


私は固まって、柴多を凝視した。


目の前に居る柴多は…私の知らない人みたいだった。

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