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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

柴多のアパートに向かう間は、微妙な空気で明日の棚卸しの話などで間を繋いだ。


ついこないだまで、一番気さくに話せていたのに…。


途中のスーパーで少し買い足して、柴多のアパートに着いた。


一年前の…あの時以来だな。


「おじゃまします。」


「適当に座ってて。」


靴を隅に揃えて、卓上テーブルの近く座る。


「柴多、手洗わせて。」


「いいよ~。はい、タオル。」


フェイスタオルを投げ渡してくる。


「サンキュ~!」


「ビールでいい?」


「うん!」


「グラス使うか?」


「いらない!」


「了解~!」


小気味いいレスポンス、私たちは自然と笑顔になっていた。

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