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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

翌日 

仕事が終わった後、遅番の柴多が終わるまで待っていた。


『店を辞めるかも…。』


どうしてか、本当か、どうするのか…聞きたい事が山程あった。


柴多が従業員出入口に現れ、私を見掛けると一瞬目を見開いたが、直ぐに苦笑いをした。


「どうしたの詞、とっくに帰ったのかと思ったのに。」


「明日…棚卸しでビル休みだし…ゆっくり飲まない?」


少し間が、空いて


「あぁ…じゃあ、家に来る?」


「えっ…。」


ドキンッ…柴多の目は真剣だった。


「こないだ俺が言った事…気にしてるんだろ。」


「うん…。」


「なら、家の方が話しやすいからさ。」


柴多の家…行ったからって何かされる訳じゃないだろうし、なにより話をしたい。


「うん…柴多のアパートでいいよ。」


「…じゃあ、行こう。」


柴多は、優しく微笑んだから、私は少し安心していた。


そして…二人で歩き出す。

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