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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

それに気付いたのか


「詞…俺を責めればいいよ…。だから全て…委ねろ。」


ドクン!


胸の奥で、反応する。


『委ねろ』


前にも聞いた台詞。


その自信は、どこから来るんだろう。


委ねろって…何を?


全てって…?


涙が、次々と溢れ出る。


この涙の意味も解らない。


本当に何もかも委ねたら、楽になれるのだろうか…。


高橋さんは、涙を拭う様に舌先で頬を舐めた。


「ひゃっ!」


そのまま、首筋に伝っていく。


「あっ!やっ…。」


「詞…可愛いよ…。」


甘い言葉と一緒に、押し倒されかけた時…


ガチャリ!


「おでん、お待たせしました。」


笑顔の保科さんが、現れた。

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