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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

「はぁ…。」


「詞…。」


唇が触れるくらいの間隔で、少し離れて名前を呼ばれる。


クラクラする…。


嫌になるくらい、気持ち良い。


「高…橋…」


「樹…ミキだよ。」


「ミ…キ…。」


そして…唇は重なり、舌を絡める。


クチュクチュと鳴り響く音が、激しさを物語る。


「はっ…ふぅ…。」


情けない…心とは裏腹に、身体は高橋さんの言いなり。


カッコ悪い。
愚かしい!!
馬鹿な女!


ありったけ自分を罵ると、涙が目の端から頬を伝っていく。

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