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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

「ん~!ん~!」


抵抗したくても、ガッチリ抱き締められていて、身動きがきかない。


歯を食いしばってたが、鼻まで塞がれて息苦しくて口を開ける。


途端、舌は絡め取られる。


悔しい~!
策略だぁ~!


抗う意識も次第に、朦朧としてきた。 


何でか解らない…ただ、高橋さんとのキスは、やたら気持ちが良くなる。


身体の相性はあっても、キスも相性ってあるのかな…。


舌が蕩けてく様に、柔らかい感触に吸い込まれる。


「はぁ…ん…んん…。」


甘い声を出しながら、夢中になってる自分がいる。


「詞…。」


高橋さんに名前を呼ばれただけで、背中に痺れが走る。


私…おかしい。
全てが高橋さんの言いなりになっていく。


「あっ…。」


ダメ…離れなきゃ…。


「樹…離し……て…。」


クチュ…舌が絡む音が、頭にまで響く。 

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