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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

そして


『高橋さん…側に居るの?』


柴多に、聴こえてしまった!


「いや…その…。」


何でか焦る私。


「あっ!宮脇ちゃ~ん発見!一緒に温泉入る~?」


近寄って来た挙げ句、何をほざくんだ!
高橋樹!


『温泉…もしかして、ロケなの?明日のシフト抜けてたけど。』


声に怒りが、隠ってない?


「う…うん…でも、明日の午前中には帰るし。」


「宮脇ちゃん!早くぅ~!うなじがセクシーだね!」


わざとらしい!


「柴多!スタッフみんな待ってるから、また連絡する!」


『詞っ!ちょ…』


プツリ!


柴多の声を吹っ切る様に、通話を切った。


「あれ?柴多さんだったんだぁ~!聴こえちゃったかな?」


そう言って、不敵に笑う。


やっぱりムカつくぅ~!


「高橋さん!どうゆうつもりよ!わざと柴多に聴こえる様に言ったんでしょ!」


ムキになる私に


「何!柴多さんに聴かれたら、不味かったの?」


ニヤリと、ほくそ笑む。

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