テキストサイズ

砂漠の月、星の姫~road to East~

第1章 第一夜【砂漠へ~road to oasis~】

―そう、こんな我が儘ができるのも今夜だけだから。
 そう言いながら、ひと息にワインを飲み干す。熱い塊が喉もとを通り過ぎる感覚があり、それが徐々に躰全体にひろがってゆく。まるで昼間空港で感じた太陽の熱さのようだと、光香子はぼんやりと思った。そのままユラリと立ち上がる。意思のないマリオネットのように、光香子はそのままふらふらと部屋の外へと出ていった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ