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砂漠の月、星の姫~road to East~

第1章 第一夜【砂漠へ~road to oasis~】

―私はどうしても姫に伝えたいことがあって参ったのです。
 フィーロはタリムのやわらかな長い髪を撫でながら言った。姫の結い上げた艶やかな髪には翡翠を連ねた見事な髪飾りが輝いている。それは、かつてフィーロが姫に愛のあかしとして贈ったものだった。小さな花をかたどったそれは、姫の美しさと愛らしさを同時によく引き立てている。

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