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砂漠の月、星の姫~road to East~

第1章 第一夜【砂漠へ~road to oasis~】

―フィーロ様、何故、ここに?
 愛する男の腕の中で恋人の顔を見上げて訊ねると、彼は言った。この国の軍隊は壊滅状態となり、兵も殆どが討ち死にし、ある者は敵に投降した。自分もひとたびは死を覚悟したが、生命からがらここまで逃れてきたのは、
ひとえに姫に逢いたかったからだと。
 ああ、火の鳥が私の願いを聞き入れてくれたのだと、タリムは心の内で神に感謝の祈りを捧げた。

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