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砂漠の月、星の姫~road to East~

第1章 第一夜【砂漠へ~road to oasis~】

―姫。
 姿を見せた婚約者に駆け寄り、タリムは抱きついた。フィーロのマントも戦用の胴衣も血だらけであったが、幸いにも、彼はたいした傷は受けてはいなかった。その逞しい手でタリムの華奢な躰をしっかりと抱きしめ、フィーロは深い、いつもの穏やかな彼らしい声で言った。

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