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砂漠の月、星の姫~road to East~

第1章 第一夜【砂漠へ~road to oasis~】

―どうか、お願い、私をフィーロ様に逢わせて。
 フィーロは今、この国の軍を率いて前線で戦っているはずだ、既に万が一のときのことを覚悟して、別れの盃も交わして、彼は出陣していったのだ。今更、こんな場所で逢えるはずもなかった。タリムがそっと首を振って、諦めの吐息をついたその時、固く閉ざされたはずの王宮の間の扉が開いたのだ。

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