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砂漠の月、星の姫~road to East~

第1章 第一夜【砂漠へ~road to oasis~】

―どうか、姫よ。生きて下さい。私のためにも生きて、幸せな一生をお過ごし下さい。
 深みのある低い穏やかな声。
 光香子は我が耳を疑った。いまわの際になって、幻聴が聞こえてきたのかと思ったほどだ。あまりにも強い執着や未練が淳一の声を聞かせたのかと。しかし、即座に違うと思った。この声は淳一のものではない。

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