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身代わり妹

第14章 誕生

優太誕生の報せを聞き、院長先生と由美さんが午後にお見舞いに来てくれた。



「優太ぁ、おじいちゃんとおばあちゃんだぞ」

凌太が優太を抱き、2人に見せる。


「おじいちゃんおばあちゃんは嫌! じいじばあばにして!」

そう言いながら優太を抱こうと手を伸ばす由美さん。



「落とすなよ」

「気を付けろよ」

凌太と院長先生の声がハモる。


「ちょっと! こう見えても私、1人産んでますけど!」

由美さんが2人を睨む。


でもすぐに優太に視線を移し、優しい笑顔に戻る。


「俺に似てるな」

優太を覗き込んだ院長が言う。


「いや、私にそっくりよ」

由美さんが言い返せば、

「ちょっ、それを言うなら俺だろ‼︎ 」

凌太が大きな声を出す。


驚いて泣き出す優太。

由美さんの腕から凌太が抱き直せば、優太はピタッと泣き止む。


得意顔の凌太。

悔しげな由美さん。



本当に、笑いが絶えない。



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