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身代わり妹

第14章 誕生

<side 美優>


明日から秋村病院はお盆休み。

外来診療はお休みになる。

病棟からの呼び出しさえなければ、凌太も暦通りの連休だ。



真夏の日差しの中、37週の検診へと産科へ向かう。


「終わったら呼べよ?」

お盆休み前で激混みの秋村病院。

凌太は私を送り、すぐに戻って行った。



「推定体重2700、もう生まれてもいいね。子宮口は…1.5センチかぁ。頭も下がってきてるし、いよいよだね」

先生の言葉にちょっと緊張する。


「生まれそうな気配はある?」

「うーん…少し前から、時々お腹が酷く痛くなるんですけど、暫くすると治まっちゃって……」


生理痛の酷いのが押し寄せる事があるけれど、大概すぐに治まってしまう。しかも間隔もバラバラ。


「前駆陣痛だね。間隔が測れるくらい規則的なものが来たら連絡して」


そっかぁ……。

もういつ本当の陣痛が来るのかわからないんだよね。





……ちょっと、怖い。


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