テキストサイズ

身代わり妹

第13章 敵意

<side 花純>


「朝倉さん、手が空いてるなら終わったカルテ片付けて」


自分の手が空けばすぐに携帯を弄り出す新人の朝倉萌。

私にとって初めての後輩がこの子なんて、本当に手を焼いている。



「ちょっとくらい手が空いてる時間があっても良くないですか?」

ほらね、すぐに言い返す。

絶対に ”はい” とか ”すみません” が言えない子!


「カルテの片付け終わってからならいいよ!」

言いながら、朝倉さんに勢いよく渡したカルテ。その一番上のカルテが床に落ちた。

チラリとそのカルテを見たくせに、そのまま行こうとする朝倉さん。



「九十九(つくも)さんのカルテ、落ちたよ!」


しゃがみ込んでカルテを拾い、朝倉さんに渡す。

ふいっとお礼も言わずにカルテ棚へと向かう朝倉さん。

ホントにホントに可愛くない後輩っ‼︎


ストーリーメニュー

TOPTOPへ