テキストサイズ

身代わり妹

第13章 敵意

産科に入り、すぐに診察室へと通される。


「出血はないし、胎動も元気だなぁ」

エコーの機械を蹴り飛ばす程に元気な胎動に、先生も苦笑いしていた。


「赤ちゃんは羊水で守られてるからね。差し迫っての、危機的状況ではなさそうだね」

先生の言葉に、凌太と顔を見合わせホッと胸を撫で下ろす。



「ただ…張りが強いね……早産の傾向はある……」

そう言って硬くなったお腹を触る先生の顔は真剣だ。



「張りが強い時は赤ちゃんも苦しいから、なるべく安静にしてて。

安静にしてても張りが治まらなければすぐに受診してね」


そう言って、先生は張り止めの薬を処方してくれた。

「副作用が出る人が多いんだけどね、赤ちゃんの為と思って我慢して飲んでて」



守らなきゃ……。

私の中の小さな命……。

薬の副作用は怖いけど、赤ちゃんのためにももう少し頑張ろうっ‼︎



ストーリーメニュー

TOPTOPへ