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身代わり妹

第13章 敵意

「……叩くなんて…やり過ぎだったかな?」


助手席のシートを倒し私を寝かせると、凌太は運転席へと乗り込む。


「……俺が殴るより良かったんじゃない?」

そう言って凌太は笑う。

……凌太に暴力なんて似合わないよ。



「美優……何で病院に?」

あ…!


「PHS……凌太が忘れてったから……」

慌ててお尻のポケットへと手を伸ばす。


「あれ? 液晶真っ暗」

いろんなボタンを押してみるけれど、全く反応がない。



「……ごめん、私のお尻の下敷きになったせいかも」

おずおずと差し出したPHSを凌太が受け取る。


「ぶっ……」

噴き出す凌太。

堪えきれずに大笑いを始める。



「もぉっ、笑い過ぎーっ」

そう言いながら、私も一緒に笑っていた。

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