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身代わり妹

第13章 敵意

滑って転んだんじゃない。

確かに背中を押された。


その時、真後ろに居たのは朝倉さんだ。

許せない……っ‼︎


私はゆっくりと立ち上がった。



「……美優?」

凌太の声も耳に入らない。


パシッ

私は思い切り朝倉さんの頬を叩いていた。



「赤ちゃんに何かあったら許さないから!」

涙目でそう叫ぶ。



ビンタって、叩いた方も痛いんだね。

他人を叩くなんて人生で初めてだよ。

どうしても許せなかった。



でも、よく考えたら無防備だった私も悪いよね……。

そう気付いた時には、もう凌太の車の前だった。

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