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身代わり妹

第13章 敵意

バサバサとカルテを片付ける。


ピークの過ぎた待合室。

女の周りには看護師や患者が集まって、何だか楽しそうに話し込んでいた。



(何で私の席の後ろに集まるんだよっ‼︎ )

ムカムカしながら席へと向かう。




無防備な女の背中。


─────押してやろうか…?


こんだけ人がいれば、誰がやったかわかんないだろうし、誰かが受け止めるだろう。

そんな気持ちが沸き起こる。



ホンの軽い気持ち。

ホンのイタズラ心。


にやける顔を必死に押し殺して女の背中へと近付いて行く。



皆の楽しげな笑い声。女も笑ってる。


ドン!

─────…っ⁉︎

タイミングが悪かった。


私の手が背中に触れた時、女は大笑いして背中を逸らした。



そう、

全てこの女が悪い。


背中なんか逸らすから悪いんだ。



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