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身代わり妹

第13章 敵意

「大山さん!」

苛立つ声で次の患者を呼ぶ。


「……大山さん?」

後ろから、女の嬉しそうな声が聞こえる。


女に向けて手を挙げて笑う大山さん。

ていうか、大山さんの笑顔、初めて見たわ‼︎


お会計を終えれば、やっぱり楽しげに話し込む。



─────何なの?

凌太先生を独り占めしただけじゃ満足出来ない訳?



四人を睨んで見ても、私の視線に気付きもしない。

あっそ! ムカつく‼︎



「カルテ片付けますっ」

勢い良く立ち上がる。

勢いが付きすぎて座っていた椅子が女目掛けて倒れた。ザマー‼︎



「危ないっ‼︎ 」

いつもは鈍臭い諸田先輩が、見事に椅子をキャッチ。

そして私を睨みつけた。



「ちょっと! 美優先輩は妊婦さんなのよ? 気を付けてよ!」


─────はぁ? 妊婦が偉いのか?

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