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身代わり妹

第13章 敵意

月島さんは受付裏へと繋がるステップの横へ移動する。

女は私の後ろにいる。

女の目の前に二段のステップ。


……滑り落ちればいいのに!



私の職場で、私の知ってる人達と親しげに話すのがムカつく。

お会計を終えた八田さんまでもが女に話し掛け始めた。



「俺の診察に来てるのに、凌太先生の診察室に入りゃあずっと赤ちゃんの話だよ」

八田さんのボヤキに、月島さんも 俺の時もそうだ と同調する。


「すみません」

幸せいっぱいな女の苦笑いが無性にムカつく。



凌太先生は自分のものだって、私に見せつけてんの?


「生まれたら間違いなくイクメンになるな」

「今日は子供の機嫌が悪いから診察拒否なんて言われたりしてな」

あははと私の後ろで楽しそうに笑い合う3人。


イライライライラ……

殴ってやろうかっ!

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