
身代わり妹
第7章 喪失
美優の母親は相変わらずだ。
美姫の大学病院の入院費の支払いは、母親がする事になっている。
もちろん、俺の母親宛に送られてきた通帳の存在を美優の母親は知らない。
美姫の入院費の為に働いてくれればいいが、全くその気がないのが見てわかる。
面会時間外の付き添いは認められないと何度も説明されているのに美姫の傍から離れようとせず、大学病院と大喧嘩したようだ。
何度説明されても
「美姫ちゃんと私を引き離す気か⁈」
と怒鳴る。
誰からのどんな言葉も、美優の母親の耳には届かないようだ。
看護師の目を盗んで泊まり込む事が何度もあり、出入り禁止にされたと聞いた。
美優が通帳と共に送ってきた手紙を思い出す。
『私が母と姉から逃げ出せば、凌太に多大な迷惑を掛ける事になると思います。
本当に本当にごめんなさい。
これから先、お二人に掛ける負担をを思えば、全く足りないけれどせめてもの償いです。
本当にごめんなさい』
この手紙を読めば美優の母親は改心するんだろうか。
『凌太と姉が幸せになる事を祈っています』
俺は、美優以外と幸せになる気はないよ……。
美姫の大学病院の入院費の支払いは、母親がする事になっている。
もちろん、俺の母親宛に送られてきた通帳の存在を美優の母親は知らない。
美姫の入院費の為に働いてくれればいいが、全くその気がないのが見てわかる。
面会時間外の付き添いは認められないと何度も説明されているのに美姫の傍から離れようとせず、大学病院と大喧嘩したようだ。
何度説明されても
「美姫ちゃんと私を引き離す気か⁈」
と怒鳴る。
誰からのどんな言葉も、美優の母親の耳には届かないようだ。
看護師の目を盗んで泊まり込む事が何度もあり、出入り禁止にされたと聞いた。
美優が通帳と共に送ってきた手紙を思い出す。
『私が母と姉から逃げ出せば、凌太に多大な迷惑を掛ける事になると思います。
本当に本当にごめんなさい。
これから先、お二人に掛ける負担をを思えば、全く足りないけれどせめてもの償いです。
本当にごめんなさい』
この手紙を読めば美優の母親は改心するんだろうか。
『凌太と姉が幸せになる事を祈っています』
俺は、美優以外と幸せになる気はないよ……。
