
身代わり妹
第7章 喪失
美姫は、大学病院でまた治療拒否をしているらしい。
発端は、身の回りの事を自分でやれと言われたからだそうだ。
うちに入院する前は、着替えや食事すら1人で出来なかった女だ。
その全てを母親がやっていたからだ。
「29にもなって、1人で風呂にも入れない、髪も乾かせない女がいるなんてな」
と大学病院での美姫の担当医が驚いていた。
当たり前のように毎日美優にさせていた洗濯…
美優がいなくなったことを知らない美姫は、
「美優にやらせればいい」
と、洗濯機の使い方すら知らず知ろうともしないためもう着るものがないのだと言う。
そして、
俺に会わせろと叫ぶため、頻繁に大学病院から連絡が来る。
一度だけ会いに行ったが、調子に乗ってまた同じ事をやらかす。
行けば何を言われるかわかってる。
”また付き合ってくれなきゃ、治療を受けないから!”
美姫はそう言うだろう。
もう、美優はいないのに…
見せつける必要なんてないのに…
大学病院で治療拒否なんて難しいだろう。
だからそれ以来、美姫の所へは行っていない。
発端は、身の回りの事を自分でやれと言われたからだそうだ。
うちに入院する前は、着替えや食事すら1人で出来なかった女だ。
その全てを母親がやっていたからだ。
「29にもなって、1人で風呂にも入れない、髪も乾かせない女がいるなんてな」
と大学病院での美姫の担当医が驚いていた。
当たり前のように毎日美優にさせていた洗濯…
美優がいなくなったことを知らない美姫は、
「美優にやらせればいい」
と、洗濯機の使い方すら知らず知ろうともしないためもう着るものがないのだと言う。
そして、
俺に会わせろと叫ぶため、頻繁に大学病院から連絡が来る。
一度だけ会いに行ったが、調子に乗ってまた同じ事をやらかす。
行けば何を言われるかわかってる。
”また付き合ってくれなきゃ、治療を受けないから!”
美姫はそう言うだろう。
もう、美優はいないのに…
見せつける必要なんてないのに…
大学病院で治療拒否なんて難しいだろう。
だからそれ以来、美姫の所へは行っていない。
