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君と描き始める未来に

第11章 君との思い出

ドックン…ドックン…。


なんか緊張してしきた。


「香織さん、小田切さん…これよ。」


朋代さんの手のひらに収まるくらいの、小さな靴下…。


光花は、出産を控えた人みんなに編んでいたと聞いた。


ドックン…。


ここに光花の想いが、詰まってる。


「可愛い~!素敵ですね!星叶ちゃん履いたんですか?」


「ええ…少しだけ、汚れたら勿体ないから、部屋に飾ることにしたけどね。はい!」


香織は、朋代さんから靴下を受け取った。


「なんか…温かいですね。はい!志信!」


「えっ?」


驚く俺に


「手のひらに載せてみなよ~。小さくて可愛いよ!」


ニッコリ微笑みながら、俺の手を取って載せる。


ドックン…。


「光花さんらしいね…。可愛いくて…温かい…。」


会った事ないのに、香織はそう言った。


「あぁ…そうだね…。」


靴下を眺めながら…光花の笑顔が浮かんで…消えた…。

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